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ケストレル (ロケットエンジン) : ウィキペディア日本語版
ケストレル (ロケットエンジン)

ケストレル (Kestrel) とは、アメリカの民間企業スペースX社が開発したロケットエンジンである。推進剤としてはケロシンRP-1液体酸素の組み合わせを使用し、ファルコン1ロケットの上段用エンジンとして使用されている。
== 技術的特徴 ==
ケストレルはマーリンエンジンと共通したピントル構造を中心に設計されているが、マーリンのようなターボポンプは装備せず、タンクの加圧によって推進剤を送り出す単純な圧送式サイクルを採用している。
ケストレルの燃焼室とスロート(ノズルの付け根のくびれた部分)はアブレーション冷却式で、高張力のニオブ合金製のノズルは放射冷却式である。金属としてのニオブは炭素繊維強化炭素複合材料と比較してクラッキング耐性が高く、スペースX社によると、ノズルに分離時にロケットの下段やデブリが衝突し損傷を与えたとしても、エンジンの性能に有意な影響は出ないとされる。アブレーション材とニオブの境界に取り付けられたチタン熱交換器によってヘリウムによる推進剤の加圧の効率を高めている。
エンジンの上部に設けられた電気機械式アクチュエーターによってピッチヨーの推力偏向を行う。ロール制御と(慣性飛行中の姿勢制御)にはヘリウムのガススラスターを使用する。
エンジンはトリエチルアルミニウムトリエチルボランを利用した自然発火システムによって複数回の再点火が可能となっており、複数のペイロードを搭載した飛行では、それぞれの衛星を異なった高度・傾斜角に投入できる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ケストレル (ロケットエンジン)」の詳細全文を読む



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